私たちの生活において小売店や飲食店など欠かせないお店はたくさんありますが、長い間続いているお店もあれば閉店してしまうお店があるのも事実です。
存続をするためには時代の変化とともにお店も成長していく必要があり、その中でも旗艦店は重要な役割を担います。
この記事では、旗艦店について基本的な知識、役割や例などをお伝えしていきます。流通の学習や店舗経営に役立てば幸いです。
旗艦店とは、複数の店舗を展開する小売業において中核となるべき店舗のことです。フラッグシップストア、あるいはフラッグシップショップ
複数店舗の展開を艦隊に見立て、その旗振り役として旗艦店があります。特にブランディングやコンセプト、新しい販売戦略に重きが置かれます。
最近では世界進出に力を入れている企業がグローバル旗艦店というかたちで、よりブランディングに特化した店舗を出店し始めています。
スマート化が必要な理由の一つは、人手不足です。産業に関わる人の高齢化や後継者がいないという状況は長いあいだ問題となってきました。
また、気候変動もスマート化が必要である理由の一つです。異常気象による農作物の不作や海面温度上昇による魚の不漁など、大きな問題を抱えています。
このようなこれまで解決することのできなかった難しい問題を解決するために、各産業のスマート化が注目を浴びています。
似たような言葉で「直営店」があります。直営店とは、運営会社が直接経営をする店舗のことです。
旗艦店も運営会社が直接経営をしているため、直営店の一種になります。経営形態はどちらも同じです。
複数展開している直営店の中に、ブランディグや販売戦略で重点が置かれている旗艦店があるということになります。
旗艦店の大きな役割として、ブランディングがあります。
もちろん通常の店舗でもブランディングは行っていくべきなのですが、旗艦店ではよりブランディングに特化していく必要があります。
消費者が思わず立ち寄りたくなるようなお店であるべきであり、テーマやコンセプトにもとづいたその企業の代表となるべきお店が旗艦店なのです。
旗艦店では、通常の店舗では展開していない新商品や独特な商品を販売することも多くあります。
また、他の店舗にはない陳列やPOPを行って新たな売場づくりを行うという戦略もよく取られます。
ブランディングの代表店舗でありながら最新のマーチャンダイジングを行うことにより、培ったノウハウを他のお店にも水平展開していくということも可能になります。
コンセプトづくりは旗艦店における重要事項ですが、簡単なものではありません。
自社のブランディングをどの店舗よりも行いながら周囲の競合店に負けないお店づくりも必要になるからです。
加えて消費者にこのお店は力を入れているということが伝われば、それだけ期待も高まります。またこのお店に来たい、同じ企業の他のお店にも行ってみたいと思わせるような消費者の期待に応えていかなければなりません。
通常の店舗とは違ったかたちでブランディング、新しいマーチャンダイジングをしていくとは言っても、経営を維持していく必要もあります。
新しい試みということで多少の失敗はあるかもしれませんが、お店が潰れてしまわないように利益確保をしなければなりません。
また、旗艦店は通常の店舗よりも立地にこだわった上で設備投資も高くなると思います。いつもより高めの売上目標が設定されるため、マーケティングや販売の質も向上させていくことが求められます。
デジタル技術の発達により、リアル店舗に行かなくても買い物ができるようになって長い時間が経ちました。
EC(Eコマース)を利用して買い物をすることはもう当たり前ですね。
Amazonや楽天などモール型のECはもちろん、特定の商品を扱う専門のEC、定額で商品が定期的に届くサブスク型ECといったようにジャンルも広がっています。
こうした時代の中で、リアル店舗の存在意義の見直しやECとの共存をするには、旗艦店をどう運営していくかが生き残るための重要な要素の一つではないでしょうか。
デジタル技術の発達や情報伝達のはやさが上がるにつれ、時代の変化もはやくなり買い物選の択肢が増えています。最近ではコロナ禍を経て働き方や生活が変わりました。
時代の変化がはやく、どのような変化が起こるか予測も難しくなっています。急速な時代の流れに乗るためにも旗艦店で様々な取り組みを行うことは大切です。
コンセプトづくりや経営維持の難しさはありますが、様々な企業が旗艦店の取り組みを強化しています。
消費が多様化しクオリティの高い商品が多くなった今、消費活動で得られる体験が重視されています。
リアル店舗の強みは、まさにリアルでしか体験できないことを消費者に提供できることです。ECではできない肌で感じる体験をすることができます。
その強みを活かし、消費者にブランドの体験を提供する取り組みが注目されています。カスタマーエクスペリエンスといって、商品やサービスの購入や買い物の一連の体験や経験が重要視されているのです。
カスタマーエクスペリエンスを重視したブランディングを体験できる場所こそ、今後成長の鍵を握る旗艦店の一形態となり得るかもしれません。
ユニクロは世界進出をしており、国内にも国外にもグローバル旗艦店を複数出店しています。
特に銀座のマロニエゲート銀座2にあるUNIQLO TOKYOは、建物の1〜4階にわたって売場を展開し、通常店とは違った売場づくりやマーチャンダイジングに力を入れています。
世界的情報発信も目指しているため、国内の消費者だけでなく海外から訪問した消費者もターゲットにされています。
無印良品は銀座に世界旗艦店を出店しています。こちらも国内だけでなく海外から訪れた消費者もターゲットにしています。
商品の売場だけでなく、食堂やホテルも併設されており、無印良品の商品やサービスを体験することができます。
B1F〜6Fまであり、1Fは全て食品売場になっています。中には野菜も売っていて、無印良品のこだわりが伝わってくるブランディングに特化した旗艦店となっています。
回転寿司チェーンのくら寿司もグローバル旗艦店を出店しています。
直近ではUNIQLO TOKYOの入っているマロニエゲート銀座2にお店をオープンし、ユニクロとのコラボも実現しました。
インバウンド需要が回復するなか海外旅行客の多い銀座にお店をかまえ、「江戸町エンターテイメント」をコンセプトに食と楽しさを伝えています。
このように小売だけでなく、飲食店でも旗艦店が注目されるようになっています。