ネットビジネスが当たり前になった今、私たちの手元に欲しいものがあっという間に届きます。頼んだ翌日に注文したものが届くのは当たり前になりました。
商品が私たち消費者といったエンドユーザーに届くまでの流れを「商流」と呼ぶことがあります。まさしく商品の流れという意味です。
あなたはどこからどのように商品が届くか意識をしたことがあるでしょうか。
お店の倉庫に在庫があって、そこから物が配送され私たちの手元に届くという一つの答えはあります。しかし、サプライチェーンマネジメントという枠組みで捉えるのであれば、そのもっと前までさかのぼる必要があります。
あなたの手元にある商品が何で作られたか、どこで作られたかなど商品生産の段階から手元に渡るまでの長い道のりにおいて情報が全てつながる必要があるのです。
この記事では、サプライチェーンマネジメント(SCM)の意味やメリットを説明します。サプライチェーンマネジメントの基本を理解して、ビジネスや私生活で役立てていきましょう。
サプライチェーンマネジメントとは?
サプライチェーンマネジメントは英語でSupply Chain Managementと表され、SCMと略されることが一般的です。
直訳すると、供給をひと繋ぎで管理するという意味になります。
上の図のように原材料の仕入から消費者が商品を手にするまでの「もの・金・情報」の流れのことをサプライチェーンマネジメントと呼びます。
その商品に関する情報を全て共有することで、全体的な効率化や、商流の透明性を高めることができます。
サプライチェーンマネジメントの歴史
サプライチェーンマネジメントの概念は1980年代になって登場しました。
その後、1990年代にサプライチェーンカウンシルというNPO法人が設立され、徐々に世の中へ浸透していきました。
加えて、物流もサプライチェーンの一部とみなされるようになったのもこの頃です。
現在ではビジネスの中で取り組む企業もいるため、一般的に普及したといえるでしょう。
サプライチェーンマネジメントが注目される理由
ビジネスモデルの変化
私たちが商品を手にする場所は様々です。スーパーマーケットや飲食店、百貨店や雑貨店、そしてEコマースと、リアルでもオンラインでもいたるところに売場はあります。
Eコマースは特にそうですが、最近では自社で物流に取り組む企業が多くなっています。そうなると全体的な商流を考える必要があり、サプライチェーンマネジメントが重視されるのです。
また、グローバル化も変化の一因です。海外から原料を調達する、海外で商品を生産して輸入する、国内で商品を生産して輸出する、というように商流は複雑化します。
管理をしっかり行い、安全安心のためにもより一層サプライチェーンマネジメントの強化が必要です。
消費者のニーズの変化
Eコマースなど販売チャネルの多様化に伴い、私たちは欲しいものを簡単に購入することができるようになりました。
企業はより消費者のニーズに応えようと、多様な商品を揃えます。また企業が開発した商品を消費者に提案することよりも、消費者が欲しい商品を検索することが優先されます。
そのため、需要と供給のバランスを以前より考える必要があり、そんなとき商品を余分に生産しないようサプライチェーンマネジメントを重視する必要があります。
サプライチェーンマネジメントのメリット
データ分析が可能になる
サプライチェーンマネジメントにより、もの・金・情報が共有されることで今まで知ることのできなかったデータを手に入れることができるようになります。
生産数や出荷数、販売数や在庫数など今まで各工程で止まっていた情報を一貫して知ることができます。
そうして手に入れた情報はデータ分析をすることが可能です。また、AIと言った最新の技術を組み合わせることで思いもよらぬ効果が得られるかもしれません。
適正在庫を把握できる
データ分析をすることで適正在庫を把握できることもメリットの一つです。
実際に生産した数量と販売した数量、どれだけ余ってしまったかを一定の期間計測することで適正在庫を明らかにし、事前に生産量を話し合うことができます。
私たちの商談の質をさらに向上させることができ、さらにはロスを減らすことができるということです。
最適な商流を実現できる
各工程を見直すことで、今まで無駄にコストをかけていた部分、必要のない工程を明らかにすることが可能です。
そうすることで調達コストの削減ができるので、値上の厳しい今こそサプライチェーンマネジメントを導入する必要があります。
サプライチェーンマネジメントを導入することは、自社のみではなく全ての関係者にとってメリットを出すことが可能です。
サプライチェーンマネジメント導入のポイント
クラウドシステムの導入
クラウドシステムはサプライチェーンマネジメントにとって重要な技術の一つです。
関わる人がいつでもどこでもデータを共有するためにクラウドシステムを用いる必要があります。
クラウド上であればすぐに最新のデータが共有可能かつ、更新も簡単に行うことができます。
プロジェクトチームの構築
サプライチェーンマネジメントを導入するのは、簡単ではありません。
自社においても営業部門、システム部門、購買部門など、会社全体で情報を共有する必要があるため一致団結が不可欠です。
そのためにもプロジェクトチームを設けることをおすすめします。一人のひとりの役割を明確にしてスピーディにプロジェクトを進行することも大切です。
各会社の協力
原料の調達から消費者の手に届くまで、自社のみならず様々な会社が関わっています。
もの・金・情報を共有するためには、全工程の協力が必要になります。
なぜサプライチェーンマネジメントを行うのか目的とゴールを明確にし、各会社に説明ができるようにしましょう。
サプライチェーンマネジメントの実現には全会社がゴールを共有し、同じ道を歩むことが必須なのです。
さいごに
サプライチェーンマネジメントは変化がはやく、多様化していく現代においてこそ求められます。
当社ではサプライチェーンマネジメンについて取り組みを行っております。導入をお考えの方や具体的に何を行うべきかお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
まとめ
サプライチェーンマネジメント(SCM)とは?意味やメリットなど基本を理解しよう
サプライチェーンマネジメントとは、原材料の仕入から消費者が商品を手にするまでの「もの・金・情報」の流れのこと
サプライチェーンを導入することによって、データを分析できるようになり、商流を最適化できます。また、導入にはクラウドシステムなどネットワーク技術が必要で、プロジェクトを遂行するために各会社の相互理解が大切です。
キーワード
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- クラウドシステム
- サプライチェーンマネジメントプロジェクト