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リアル店舗や小売業にもサブスクリプションは必要?オンラインにとどまらないサブスクの未来

作成者: 中部流通|2024.06.28

スマホの普及やコロナ禍の巣ごもり需要を経て、サブスクリプションは当たり前に利用されるようになりました。

動画配信や音楽配信などオンラインで利用するイメージが強いサブスクですが、すでに食品や植物、サービスなど、物や体験として消費することのできるサブスクも増えてきています。

この記事ではサブスクについて、リアル店舗や小売業との関係性や、どのようにサブスクを取り入れていくべきかをお伝えしていきます。ビジネスにおいてサブスクの取り組みを検討する際にお役に立てれば幸いです。

サブスクリプションとは?

サブスクリプションとは、商品やサービスを定額で一定の期間利用できるサービスのことです。料金体系は月額や年額が一般的で、利用しやすい価格設定のサービスが多いです。

代表的な例として、Amazon PrimeやNetflixなどの動画配信サブスク、Apple MusicやSpotifyなどの音楽配信サービスがあります。

サービスの対象となるものを個別で購入するよりも、回数に制限のないサブスクで利用した方がお得に楽しむことができます。

サブスクが人気の理由

サブスクが流行った理由の一つとして、インターネット技術が発達して通信速度が速くなったことが挙げられます。

スマホでも快適にエンタメやコンテンツを楽しめるようになりました。大容量のアプリや動画もストレスなくダウンロードすることができます。

また、消費がモノ消費からコト消費へ移行したのも理由の一つです。

サブスクなら今まで出会えなかったようなコンテンツに気軽に触れることができます。自分に合わないと思ったら簡単に解約することもできます。所有ではなく、体験を重視するというニーズにぴったりのサービスといえます。

リアル店舗とサブスクの関係性

サブスクはもうオンラインだけではない

サブスクといえば動画や音楽といったオンライン上で配信され、スマホやパソコンで利用するサービスという印象が強いかもしれません。しかし、実際は食品や植物、サービスなど、物や体験として消費することのできるサブスクも増えてきています。

サブスクの認知が広まり、メーカーやリアルでのサービスを提供する企業も次々とサブスクを導入し始めているのです。

消費者もサブスクの良さを知り、これまでにない体験や発見を求めて食品やサービスといった生活面においてもサブスクを利用し始めています。

サブスクブランドがリアル店舗を展開

サブスクはネットととても相性が良く、Webでサービス利用のためのプラットフォームを運営し、Web上でサービスを利用してもらう・商品を配送で届けるというように効率よく事業を展開することができます。

しかし、オンラインでのサブスク展開を経てリアル店舗を出店するブランドも実際にはあります。

リアルでの接客を行うことで、企業と消費者がより身近にコミュニケーションをとることができ、そのブランドの雰囲気を肌で感じることもできます。リアル店舗を持つことは、サブスクブランドにとってもブランディングとして大きな強みになるのです。

お店に来てもらうためのサブスク

飲食店やホテルなどはじめからリアル店舗を持つ企業のサブスク導入が増えてきています。月額で食べ放題、系列ホテルならどこでも宿泊可能といったサブスクにより集客を行なっています。

これまでリアル店舗を運営してきた強みを活かすようなかたちでサブスクを展開することにより、消費者がお店に来たいと思うような仕掛けをすることができます。

このようにサブスクはすでにオンラインとオフラインの垣根がなくなり、私たちの生活に馴染んだものとなっています。

サブスクの事例

Walmartのインホーム・デリバリー

アメリカの大手小売企業であるWalmartはWalmart +というサブスクのメンバーシップを提供しています。そのWalmart +に加入することでインホーム・デリバリーという宅配サービスを利用することができます。

インホーム・デリバリーはWalmartの配達員が家の中まで購入したものを届けてくれるという配送サービスです。置き配で盗難被害が多いアメリカならではのサービスです。

もちろん配達員のセキュリティ対策もしっかりとされており、専門の訓練を受けた配達員はボディカメラを身につけ、家にはインホーム・デリバリー用のキーも備え付けます。顧客も安心して利用することができ、満足度も高いようです。

Oisixの食品サブスク

Oisixはミールキットをはじめとして、チルドや生鮮など食品をサブスクでユーザーへ届けるサービスを展開しています。

特に農産物では、バイヤーが選んだ野菜とフルーツを週替わりで提供するサービスや、規格外・作りすぎた野菜をリーズナブルに提供するサービスを行なっています。

スーパーで買えるような食材を扱っているため、スーパーへ行かなくてもOisixだけで買い物を済ませてしまうことができるのもこちらのサブスクの強みです。

snaq.meのお菓子サブスク

snaq.meはお菓子のサブスクで、8種類のお菓子が毎月入れ替えでユーザーに届きます。おやつで味わえる体験に重きをおいており、こだわりの素材と管理の行き届いた生産でお菓子を製造しています。

人工甘味料や着色料は使わず、パッケージの環境適正やフードロスも考えられていて人にも地球にも優しい健康で安心安全なお菓子を体験することができます。

オンラインでの会員登録がメインですが、snaq.meは実際にリアル店舗も出店済みで顧客との距離感にもこだわりを持っています。

小売業におけるサブスクの未来

アメリカのWalmartやTargetをはじめ、小売業もサブスクサービスの取り組みを始めつつあります。

小売業におけるサブスクはまだ馴染みがありませんが、この先顧客の信頼を得ていくためにも重要な戦略の一つになることは間違いないでしょう。

小売業ではどのようなサブスクサービスを導入できるのか、可能性について考えてみたいと思います。

メンバーシップ型の付加価値サービス

前例を挙げたWalmartはメンバーシップ型のサブスクになります。もっと身近なメンバーシップサービスでいえばAmazon Primeがあります。スピーディな配送や動画見放題など様々なコンテンツを利用することができます。

小売業でもメンバーシップ型のサブスクを設けることによって何かの施設を使い放題、定量の商品や食材を提供など既存の強みを活かしてサービスの質を向上させることができます。

海外ですでに取り組み事例があるため、メンバーシップは実際に取り組みやすいサブスク戦略ではないでしょうか。

食品ロス低減のための訳アリ商品サブスク

現在は飲食店が作りすぎてしまった食品を安く提供する、余った食材を使ったおまかせ料理を安く提供するというサービスが多く存在しています。

小売業の場合そういった食品はもちろん、生鮮食品など食材のロス低減もすることができます。賞味期限の近い商品は通常見切り品として販売されますが、サブスクを導入することでこれまでとは違った取り組みができます。

食品ロス低減への貢献という体験をもっと身近でできるようになれば、これまで以上に勿体ないを推進する効果に期待できます。

レシピ連動型の生鮮食品サブスク

消費者の代わりにレシピを考え、提供する。そしてそのレシピに使う材料も一緒に提供すれば時短と料理の楽しさの両方を体験することができます。

共働きが当たり前になって時短料理の価値が重要視されてきましたが、アフターコロナのいま料理を楽しむというニーズもそこに加わりました。

そんなニーズにぴったりのレシピ連動型の生鮮食品サブスクがあれば、さらに幅広い顧客層を獲得できるのではないでしょうか。