ユーザーエクスペリエンス(UX)という言葉を見かけたり聞いたりする機会は多いと思います。
マーケティングにおいてUXはとても重要視されています。
質の高いUXを提供することによって売上拡大、リピーター獲得など企業にとって様々な利益を生み出すことができるからです。
UXの考え方は特にWeb業界で盛んに取り入れられていますが、小売業にとってもかなり重要です。
特にEコマースなどオンラインでの買い物が主流になっている今だからこそ、ユーザーに店舗へ来店してもらうためにUXの考え方が必要なのです。
この記事ではユーザーエクスペリエンス(UX)について、意味や注目すべき理由を解説していきます。
そして今後の商売のあり方を考え、予想する際に役立てましょう。
ユーザーエクスペリエンス(UX)とは?
ユーザーエクスペリエンス(UX)とは、製品やサービスといったモノではなく、それらを通して得られる一連の体験のことです。
英語でUser experienceと表現するため、UXと略して呼ぶのが一般的です。日本語に訳すと「ユーザー体験」になります。
例えば、あなたがあるチョコレートを購入したとします。
UXはそのチョコレートを食べているときだけではなく、購入しようと思った導入の部分から、食べ終わったあとの感想や次のアクションなど終わりまで、その商品に関する体験全てを含みます。
UXが良ければ根強いファンを獲得でき、悪ければユーザーが離れていってしまいます。
モノやサービスが溢れていて簡単に手に入る時代だからこそ、ユーザーが選んでくれるUXを提供することが大切です。
ユーザーインターフェイス(UI)
UIとは、User Interfaceの略で、ユーザーとモノやサービスをつなぐ接点のことを言います。
先ほどと同じようにチョコレートで例えると、パッケージデザインや食品表示、味、見た目、サイズなどユーザーが食べる上で情報を得る部分や触れる部分のことです。
もちろんUIもUXに大きく影響します。UX/UIというように、同時に表現されることが多いのはそのためです。
ただし、UX=UIではありません。
UXはUIを含んだユーザー体験全てを表すと覚えておきましょう。
ユーザーエクスペリエンス(UX)に注目すべき理由
UX世代
UX世代とは、子供の頃からデジタルが当たり前でモノ・サービスを購入する際はただ買うだけでなく、体験も重視する世代のことです。
1981年〜1995年頃に誕生したミレニアル世代、1996年〜2012年頃に誕生したZ世代、2013年以降に誕生したα世代、これら3つの世代を含んでいます。
どの世代にも共通して言えるのが、デジタルツールを使うこと、オンラインでモノ・サービスを購入することが当たり前ということです。
欲しいものがあればすぐに購入できるため、「買う」という行為に困ることがまずありません。
そのため、「買う」ことよりも「買う前から買った後までの、一連の体験」を重視します。
体験を求める時代へシフトしている
現在の消費の中心はおそらくミレニアル世代でしょう。その後にZ世代、α世代へ続いていきます。
UX世代が消費の中心になっていくということは、リアル店舗を持つ小売業にもユーザー体験が求められることは間違いありません。
そのため小売業がこの先も成長し続けるには、UXを欠かすことができません。
変化していく商売のあり方
Eコマース
Eコマースは、「買う」という行為を大きく変化させました。
オンラインでモノ・サービスを購入することは今や当たり前となっています。スマホで注文した商品が次の日に届くということも珍しくありません。
ただ商品を直接見て、触れることができないため、購入の際はレビューやSNSでの情報発信を参考にすることが一般的です。
サクラによるレビューや、嘘の情報によって粗悪な商品を買わされてしまう可能性も否定はできません。
リアル店舗
ユーザーにリアル店舗へ来てもらうことで、オンラインよりも直に体験を提供することができます。
また、買った商品はすぐに利用できるため、オンラインよりもモノ・サービスが手に入るスピードは上がります。
しかし、お店へ行く時間がなかったり、面倒だと感じる人が多いのも事実でしょう。
リアル店舗へ足を運んでもらうためには、その店舗でしか味わえないUXを提供することが大切です。
「買う」だけでなく、「楽しむ」という買い物をUX世代は期待してます。
オンラインとリアルの融合
良いUXを提供するためには、オンラインとリアルの融合が重要です。
店舗へ行って商品を買う前に、その店舗や商品のことをユーザーはネットで調べます。
その時点で既にUXは始まっています。
ユーザーがネットで調べた時にECサイトやWebサイト、SNSや独自のコンテンツが出てくるのであれば、オンラインでのアドバンテージを取ることができます。
オンラインで注意すべきは、ユーザーが商品を購入できるだけのコンテンツではダメだということです。
もちろん購入ページは必要ですが、ユーザーが店舗へ来たいと思うような情報発信をすることが求められます。
そして、店舗では良い体験を求めてきたユーザーの期待に応えられるような店作りや接客など質の高いサービスを提供する必要があります。
オンラインとリアルは今や切り離すことができません。
UX向上のポイント
ユーザーのニーズを探る
UXに限ったことではありませんが、ユーザーのニーズを探ることは絶対に欠かすことができません。
UXを向上させるためには、ニーズを満たしたモノ・サービスを販売していることが大前提です。
モノが溢れていて商品を簡単に購入できるということは、ニーズに応える商品でなければユーザーの選択肢に入ることができないのです。
また、体験に関するニーズも探ることが大切です。
他企業がオンラインでどのようなコンテンツを制作しているか、成功している企業はどのような方法でUXを向上させているか研究するのもおすすめです。
ユーザーとの距離を近づける
ニーズを探るためにも必要になりますが、ユーザーとの距離を近づけることも大切です。
Webサイトやアプリでユーザーの声を直接回収する、店舗で買い物をしてくれたお客様とコミュニケーションを取れる販売形式にするなど、ユーザーと距離を縮める手段を増やしていく必要があります。
店舗を持つ小売業であればこれまでに培ってきたサービスのノウハウがあると思いますので、ぜひ活かしていきましょう。
さいごに
この先、小売業が成長をし続けるためには、ユーザーが来たいと思ってくれるお店づくりが必要です。
ただ買うだけでなく、その店舗に行かなければ味わうことのできない体験を提供することが求められます。
そして、ユーザーエクスペリエンス(UX)を理解し、UX世代のユーザーを獲得しましょう。
まとめ
ユーザーエクスペリエンス(UX)とは?オンラインが主流の今だからこそ小売業が注目すべきユーザー体験を理解しよう
ユーザーエクスペリエンス(UX)とは、製品やサービスといったモノではなく、それらを通して得られる一連の体験のことです。
Eコマースなどオンラインでの買い物が主流になっている今だからこそ、ユーザーに店舗へ来店してもらうためにUXの考え方が大切になってきます。ユーザーは「買う」だけでなく、「買う前から買った後までの、一連の流れ」を重視します。
キーワード
- ユーザー体験
- UX/UI
- オムニチャネル