HACCPとは?
HACCP(ハサップ)とは何か?
HACCPとはアメリカで誕生した衛生管理法です。その誕生の背景を見ていきましょう。
アポロ計画から生まれた食品衛生管理法
HACCPは、アメリカのアポロ計画において、宇宙食の衛生面での安全性を担保するために発案された管理手法です。
HACCPは「Hazard」「Analysis」「Critical」」「Control」「Point」という5つの単語の頭文字をとってできた略称です。HA(危害要因分析)ならびにCCP(重要管理点)を意味します。
そのHACCPは、優れた合理性において食品業界に評価されました。徐々に世界に普及し、いまでは国際的な衛生管理の手法となっています。
HACCPのHA(危害要因分析)とCCP(重要管理点)の概要は以下のとおりです。
HA(危害要因分析)
食品中に混入・増殖することで発生する可能性がある健康被害の要因を分析することです。原材料由来や製造過程で有害な化学物質や微生物、金属などの異物などが混入することを予測して、そのリスクを避けるための管理方法を明確にルール化します。
CCP(重要管理点)
食品中にあるリスクを抱える要因を健康に悪影響を及ぼさないレベルにまで減少・除去するために、HAにもとづいて重要な製造および加工工程を管理することを指します。
例えば加熱や冷却、包装に要する時間や温度管理などです。細かいプロセスごとにリスク管理をおこなうことで、問題がある製品が製造されるリスクを減らします。
また、万が一問題が発生した場合にも、どの部分が原因になっているのかを速やかに究明し、適切に対応することが可能です。
日本では食品衛生法において完全義務化
食品衛生法の2018年6月に可決された改正法案によって、すべての食品関連事業者を対象にHACCPによる衛生管理の義務化が施行されたのは2020年6月です。
1年間は経過措置期間を設けられていました。そして2021年6月以降はHACCPの導入・運用が完全義務化されています。