ここ最近、リブランディングを行う企業が増えています。
あらゆるものごとの変化がはやく、私たちの生活様式や価値観はより幅広いものへと変わっていく中で、ブランドイメージの変化も必要とされてきています。
この記事ではリブランディングについての意味や人気の理由、リブランディングの方法やポイントを解説していきます。
リブランディングとは?
そもそもブランディングとは
リブランディングについて知る前に、まずはそもそもブランディングとは何かを理解することが大切です。
ブランディングとは、自社ブランドを届けたい人に対して企業価値やイメージなどの認知を向上させる取り組みです。
生活をする中で「あのお店の商品は品質が良いからあのお店に買い物に行こう」と思ったことはありませんか?
まさにそういったイメージをお客様に持っていただくことがブランディングになります。
ブランディングが成功すると、長期的な利益や大量の広告が必要ないといった様々なメリットを出すことができます。
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リブランディングとは
リブランディングとは、ブランドを再構築することです。新しいブランドを作るのではなく、既存のブランドを有効活用しながら新しくブランディングを組み直していきます。
言葉の表現としては、リ・ブランディングと区切ることができ、頭につく「リ(Re)」は再度という意味を持っています。
時代や価値観の変化など変わっていく世界に対して、ブランドも常に変化をし続けていく必要があるということです。
なぜリブランディングなのか
デジタル技術の進化
デジタル技術の発達により、情報発信のやり方が昔とガラリと変わりました。特にスマホとSNSの普及により個人での情報発信ができるようになったのは大きな変化です。
企業からの一方的な情報発信だけでなく、ユーザー同士で共有してもらうこと、共有したくなるようなブランドにすることが求められます。
また、技術の発達によってデータの収集と活用もより一層精密なものになってきているため、解像度の高いマーケティング戦略をとることができるようになりました。
市場の変化
同じ市場に存在する企業やユーザーは変化し続けています。新しい企業の参入やユーザーが求めるものの変化など、様々な要因により市場は変わります。
同じブランディングで同じポジショニングを貫くことができれば良いのですが、実際にそれは難しいのではないでしょうか。
柔軟な姿勢でリブランディングを行うことによって、市場に合ったブランドを維持し続けていくことが大切です。
時代や価値観の変化
時代に合わなくなったと感じた時、ユーザーの価値観と合わなくなったと感じた時もリブランディングを行うタイミングです。
提供しているブランドと時代や価値観が合わなくなればユーザーが離れていき、ブランドが衰退し、競合企業との競争に勝てなくなってしまいます。
リブランディングを行うことで、時代や価値観に合わせたアップデートを行うことも重要な戦略になります。
リブランディングの方法
ミッションの再確認
まずはミッション・ビジョンの再確認をすることがおすすめです。
ロゴや商品パッケージなど表面的な部分を変えるだけではリブランディグとは言えません。自分たちの掲げるミッション・ビジョンにもとづいてブランドを再構築していくことが重要です。
もしミッション・ビジョン自体を変えるのであれば、それはリブランディングではなく、新規のブランド立ち上げになります。
自分たちの根幹となる部分は変えずに、やり方や伝え方、商品・サービスを変えていくのがリブランディということになります。
商品・サービスの在り方を変える
商品・サービスの方向性や内容、ロゴやパッケージといったデザインのリニューアルなど、新たに目指したいブランドイメージに合わせて変化をさせていきましょう。
ただやみくもに変えていくのはなく、市場と自分たちのブランドを照らし合わせて現状分析を行い、目指すべきイメージを決定し、新たなブランドの拡散というように確実な手順を踏んでいくことが大切です。
表面的な部分だけを変えても、ブランドイメージが変わっていなければ結局のところユーザーは離れていきます。
リブランディングがユーザーに伝わる商品・サービスの変化が重要です。
ポジションを変える
ポジションを変えてしまうのも一つの戦略です。
例えば、「これまで高年齢層に向けてブランディングを行なっていた商品を若年層に向けたブランディングに変えてみる」、「女性中心のブランディングをやめてユニセックスなブランディングにする」というような変更です。
正しくポジションを変えるためにも、市場の変化や時代・価値観の変化をしっかりと捉えていく必要があります。
Webを利用する
SNSを運用して個人とつながるD2Cや、ブランドを伝えるWebサイトの公開など、リブランディングにおいてWebを利用していくこともおすすめです。
誰もがネット検索をするこの時代に、Webコンテンツを展開しているということはもう当たり前になっています。
ユーザーにブランドを伝えていく手段としてWebはとても有効な手段です。リブランディングの際にWebサイトの開設やリニューアルを行う企業は珍しくありません。
リブランディングのポイント
良いところは残す
既存のブランディングで良い部分があれば残すのも一つの手段です。
無理に全てを刷新してしまうのではなく、残しても通用する、残すべきだと感じた部分は残しながらリブランディングを進めていくことをおすすめします。
既存のブランディングの強みは何かを分析し、その時の価値観や市場にマッチしていれば十分に活用できる武器となるはずです。
継続して続ける
リブランディングはすぐに完了できるものではありません。また、ゼロヒャクで効果を測ることもできません。
リブランディングの先にどうなっていたいかというゴールを明確にし、時間をかけて未来への投資として進めていくべきです。
実際に進めていく中でダメだと感じた部分は改めて構築し直すなど、臨機応変にリブランディングを行うことが大切です。
社内への浸透も十分行う
ブランディングを行なっているとユーザーの反応に目が行きがちですが、社内への浸透も気にする必要があります。
意思統一ができていないと足並みが揃わず、なかなかリブランディングが進まないかもしれません。
目指すべきブランドイメージが社内に浸透していれば、社員一人ひとりの行動がそのブランドにあるべき姿になっていくのではないでしょうか。
リブランディングの事例
湖池屋
私たちの生活に馴染みのあるお菓子を数多く生産されていますが、リブランディング前はポテトチップスのコモディティ化によって価格競争や成長の停滞という問題を抱えていました。
そこで、創業60年以上のポテトチップスの老舗という強みを活かし、リブランディングを行いました。
親しみ・安心・楽しさ・本格・健康・社会貢献という6つの価値をブランドに込め、業界最高を目指したポテトチップスの「プライドポテト」を発売しました。
リブランディングは成功し、いまやお菓子売り場には欠かせない商品となりました。
ヤンマー
ヤンマーはリブランディング前、日本国内では天気予報のキャラクターや農機具のメーカーとして有名でしたが、海外では船舶エンジンも主力分野でした。
「ヤンマープレミアムブランドプロジェクト」と呼ばれたリブランディングでは、農機具と船舶エンジンのイメージを統一することが目的とされました。
ロゴやトラクターのデザインなども変え、自社の強みを世界中に向けて発信していくことに成功しました。
再春館製薬
再春館製薬はドモホルンリンクルを製造・販売しています。
CMなどの効果もあってもともと認知度は高い商品でしたが、無料お試しのイメージが強く、ブランドのイメージが伝わり切っていないという問題もありました。
そこで、インフルエンサーと協力したマーケティングや、若年層を取り込むためのイメージを伝えるメディア戦略をとることによってブランドが持つ魅力そのものを発信するようになりました。
これまでのブランドの強みを活かしながら、イメージをガラリと変えることによってリブランディングを行なっています。
まとめ
リブランディングとは?ブランドの再構築が求められるのはなぜか、方法やポイントも解説!
あらゆるものごとの変化がはやい中、ブランドイメージの変化も必要とされてきています。
リブランディングとは、ブランドを再構築することです。新しいブランドを作るのではなく、既存のブランドを有効活用しながら新しくブランディングを組み直していきます。デジタル技術の進化、市場の変化、時代や価値観の変化に合わせてユーザーのニーズに適したブランドの在り方へ変えていきましょう。
キーワード
- ブランディング
- リブランディング
- ブランド