ここ数年の間に、現金を使わずにクレジットカードやスマホで決済を行う人が多くなってきたのではないでしょうか。
ECでの買い物はもちろん、リアル店舗の買い物でもキャッシュレスは浸透しています。キャッシュレスは今後もさらに普及が進み、私たちの生活をより快適にしてくれることは間違いありません。
この記事では、キャッシュレスとは何か、キャッシュレスの種類や関連するキーワードなど、キャッシュレスを理解する上で欠かせない基本を解説していきます。
キャッシュレスとは?
キャッシュレスとは、現金を使用しない支払い方法です。通常、決済機能を持つ媒体(クレジットカードやスマホのアプリなど)を使用します。
決済機能を持つ媒体に口座の情報を結びつけることにより、その時、あるいは後から、口座からお金が引き落とされます。
口座にお金さえ入っていれば現金を持ち運ぶ必要がなく、紛失の危険性やお金をおろすといった手間がなくなり、管理が楽になります。
キャッシュレスの現状
出典:経済産業省『2023年のキャッシュレス決済比率を算出しました』
日本におけるキャッシュレス決済の比率は2023年で39.3%でした。
キャッシュレス決済の比率を2025年6月までに40%まで引き上げるという国の掲げる目標まで残りわずかとなっています。
2019年からはコード決済も加わっており、スマートフォンの普及やデジタル技術の発達によりキャッシュレスの普及が進みました。
世界で見れば、アメリカの決済比率は56.4%、イギリスは64.2%、中国は83.5%、韓国は99.0%など、日本より高い比率の国も多くあります。
なぜキャッシュレス?
ECで買い物
ECで買い物をするときの決済方法はキャッシュレスがメインです。
口座振り込みや着払いという方法もありますが、やはりクレジットカードなどキャッシュレスにすることによって支払いの手間を大幅に削減することができます。
特に大手のECでは即日発送の翌日配達というサービスも珍しくありません。そのためにはスムーズな支払いが大切になってくるため、キャッシュレスが需要な役割を担っています。
ポイントが貯まる
決済サービスの会社によってはポイントが貯まるということがあります。クレジットカードやコード決済などを利用して買い物をすることによって、ポイントを貯めることができます。
貯まったポイントを利用して買い物ができたり特典がついたりするため、現金のみの買い物よりお得になり、節約にもなります。
買い物の効率化
キャッシュレスによって買い物を効率化することができます。
現金で買い物をするためには、当たり前ですが現金を持ち運ぶ必要があります。ATMで現金を引き出し、足りなくなったらまたATMへ行くという手間がかかります。
全てのお店でキャッシュレス決済が可能というわけではありませんが、いまや多くのお店で利用可能です。キャッシュレス決済が普及すればするほど現金を持ち運ぶ必要も薄れていくのではないでしょうか。
業務の効率化
キャッシュレスはお店にとってもメリットがあります。
レジでの現金支払いはやり取りに時間がかかります。消費者がお金を財布から取り出している時間、お釣りのやり取りの時間などが必要で、時間がかかればレジに人が並ぶことになります。
またレジの締め作業も必要になり、レジ台数が多ければ多いほど締めの時間もかかります。こうした問題は人手不足が叫ばれるいま、業務の効率化は重要です。
キャッシュレスを導入することによってこうしたレジに関わる問題も解決することができるのです。
キャッシュレスの種類
代表的なキャッシュレスの種類は次の4つです。
- クレジットカード/デビットカード
- 電子マネー
- コード決済
クレジットカードは後払い方式の支払い方法です。デビットカードは支払いと同時に銀行口座からすぐにお金が引き落とされます。
電子マネーは基本的にお金を事前にチャージして利用しますが、後払いの決済を選択できるものもあります。
コード決済はQRコードまたは、バーコードの読み取りで支払いを行います。こちらも事前チャージと後払いの両方を選択することができます。銀行口座からチャージ、クレジットカードを登録しておいて後払いといった方法が一般的です。
キャッシュレスに関するキーワード
インバウンド
インバウンドとは、外国人が日本へ観光に来ることを意味します。インバウンド消費やインバウンド需要といった言葉もあるように、事業においてもインバウンドは重要視されています。
インバウンド対策としてお店へのキャッシュレス決済導入は必須と言っても大げさではありません。
現金支払いのみの場合、海外のお金を日本円に変えてから買い物をする必要がありますが、クレジットカードなどキャッシュレス決済を利用できれば換金の必要もなくすぐに買い物をすることができます。
FinTech(フィンテック)
FinTech(フィンテック)とは、金融を意味するFinanceと技術を意味するTechnologyを合わせた言葉です。
金融とIT技術を組み合わせることによって、お金に関する新たなサービスや事業が生み出されます。
前述もしてきたコード決済はまさしくFinTechの一つで、こうした金融の技術のおかげで私たちの生活は豊かになっていくのです。
仮想通貨
仮想通貨とは、暗号化されたデジタル資産です。暗号資産とも呼ばれ、インターネット上でやり取りをすることができます。
代表的なものとして、ビットコインやイーサリアムなどがあります。銀行のように中央集権的に管理をする機関は存在せず、ネット上の技術を用いることによって個人間での送金が可能となっています。
仮想通貨というと資産としてのイメージが強いと思いますが、仮想通貨をお金として利用できるキャッシュレスサービスもあります。
キャッシュレスの課題と今後について
キャッシュレス導入店舗への負荷
キャッシュレス決済の加盟店は、キャッシュレス決済のサービス会社に手数料を払う必要があります。
また手数料分の金額を消費者に負担させる上乗せ請求は基本的に規約違反となり、その決済サービスが利用停止となる可能性が生じます。
キャッシュレスに対応した決済端末がなければ新しい端末を導入するという初期費用がかかります。
決済サービスが多い
日本のキャッシュレス決済比率は2023年で39.3%となっていますが、キャッシュレスの決済サービスは豊富です。
特にスマホアプリのペイは種類が多く、多彩なサービスを利用できて便利な反面どれを利用すれば良いのか迷ってしまうというデメリットもあります。
時にはサービス終了もあり得ますので、今まで利用していた決済サービスが使えなくなってしまう可能性もあります。
またお店としても各サービスに対応していくのは大変で、買い物に来た消費者が使いたい決済サービスを導入していないという状況もあり得ます。
キャッシュレス化は今後も拡大していくと予想される
いまやキャッシュレスは買い物に欠かせない存在となりました。まだ課題は残っていますが、今後もキャッシュレス化は拡大していくと予想されます。
より手軽にキャッシュレスが利用できるサービスの開発や、タッチ機能搭載のクレジットカードで乗れる電車やバスの増加など、まだまだキャッシュレスの選択肢は増え続けています。
キャッシュレスを利用できる場面が増えれば私たちの生活もより快適になり、さらに多くの方に受け入れられていくのではないでしょうか。
まとめ
キャッシュレスとは?キャッシュレスについて基本を簡単に解説します
キャッシュレスとは、現金を使用しない支払い方法です。通常、決済機能を持つ媒体(クレジットカードやスマホのアプリなど)を使用します。
日本におけるキャッシュレス決済の比率は2023年で39.3%でした。メリットとして、ECで買い物がしやすい、ポイントが貯まる、買い物の効率化、業務の効率化などが挙げられます。いまやキャッシュレスは買い物に欠かせない存在となりました。今後もキャッシュレス化は拡大していくと予想されます。
キーワード
- キャッシュレス
- FinTech(フィンテック)
- コード決済