2024.11.01

グルテンフリーとは?小麦粉に関わる知識を深めて食生活に役立てよう!

暮らしの中でグルテンフリー食品をよく見かけるようになりました。実際にグルテンフリーを心がけながら食生活を送る人も増えてきています。

この記事では、グルテンフリーについての説明やグルテンフリーを実践するメリットなど基本的な情報をお伝えします。

※記事中で説明している効果には個人差があります。

グルテンフリーとは?

関そもそもグルテンとは?

グルテンとは、小麦粉に水を加えてこねることにより、もともと小麦粉に含まれているグルテニンとグリアジンというタンパク質が絡み合ってできる成分です。

グルテンは粘り気と弾力があります。小麦粉に水を加えてこねるともちもちした感触になりますが、こちらはグルテンの作用によるものです。

ピザやうどんなど小麦粉を使用している美味しい料理において、グルテンは美味しさに関わる大切な要素の一つと言えます。

グルテンフリーについて

グルテンフリーとは、グルテンの含有量が基準未満の食品・食事のことですが、実際にはグルテンを含む食品を摂取しない食事といった意味で用いられます。

グルテンフリーはもともと、セリアック病という遺伝性の小麦不耐症の治療として始まっています。

日本では聞き馴染みがない病気ですが、海外ではセリアック病の発症に関わる遺伝子を所有する人が多い国もあり、問題となっている国もあるのです。

ただ病気の治療だけでなく、健康面でのメリットもあるためグルテンフリーは日本でも浸透しています。

なぜ人気になったのか

世界的テニスプレイヤーのジョコビッチ選手がグルテンフリーを取り入れた結果、体調が良くなりパフォーマンスが向上したということで、グルテンフリーが広まりました。

病気の治療目的だけでなく、健康や美容を気にしてグルテンフリーを取り入れている方も多くいます。

またセリアック病ではありませんが、小麦を摂取すると倦怠感を覚える方もいるため体調改善につながる可能性もあります。

実際にスーパーマーケットなどの小売店ではグルテンフリー食品も販売されていて、気軽に購入することができます。

世界のグルテンフリー事情

市場規模

世界のグルテンフリー市場規模グラフ

出典:農林水産省『米粉をめぐる状況について』

世界におけるグルテンフリーの市場規模は2019年で約66億ドル、2024年には100億ドルを超える見込みとなっています。

グルテンを含んでいない日本の米粉も注目を浴びており、輸出に対する取り組みも強化されているという状況です。

例えばアメリカでは人口の約1%がセリアック病と推定されていて、約100人に1人がセリアック病ということになります。

日本では諸説ありますが0.05%とされていてアメリカと比べれば少ない割合となっています。

グルテンフリーを必要としている人々が世界では多く、健康や美容の面からグルテンフリーの取り組みをする人々もそこに加わることで巨大な市場が形成されています。

参考:農林水産省『欧米・豪州等6か国、組織における グルテンフリー表示に係る調査報告書』

グルテンフリーのメリット

グルテンフリーには以下のメリットがあります。

  • 体調改善が期待できる
  • ダイエットにつながる
  • 美肌効果に期待できる

セリアック病ではなくても、グルテンが体に合わずに体調不良になっている可能性もあります。その場合、グルテンフリーを行うことによって体調が改善するかもしれません。

また、ニキビなど肌荒れが減って美肌効果にも期待できると言われています。

グルテンフリーの取り組みを行うことで高カロリーな食事を避けることにつながり、ダイエット効果に期待もできます。

治療以外の健康や美容目的でグルテンフリーに取り組むメリットに今のところ科学的根拠はありませんので、その点は注意しましょう。

グルテンフリーのデメリット

食の選択肢が狭まる

グルテンフリーを実践するためにはパンやパスタ、うどんといった主食から、クッキーなどのお菓子まで幅広い食事を控えなければいけません。

グルテンが含まれた食品は私たちの身の回りに溢れているため、グルテンフリーを行うことによって食の選択肢が狭くなることは間違いないでしょう。

また、グルテンフリー食品の製造には通常よりもコストがかかるため、販売価格も高価になることが多くあります。

過度な制限には注意

小麦にはビタミンBや食物繊維などが含まれています。

極端にグルテンを制限することによって必要な栄養素が不足する可能性があることに注意が必要です。

健康や美容のためにグルテンフリーを始めて、栄養が不足して不健康になってしまっては意味がありません。栄養の偏りに注意して無理なくグルテンフリーを実践していきましょう。

グルテンフリー食品

グルテンを含む食品とグルテンフリー食品

グルテン食品とグルテンフリー食品のイラスト図

  • グルテンを含む食品の例
    パン、うどん、ラーメン、パスタ、餃子、唐揚げ、カレールウ、醤油、ドレッシング、ビールなど
  • グルテンフリー食品の例
    お米、十割そば、肉、魚、野菜、果物、チーズ、ナッツなど

日本ではお米や生鮮食品を中心とした食生活を送りやすいので、気軽にグルテンフリーを試すことができます。

メーカー開発品

多くの食品メーカーがグルテンフリー食品を開発しています。

米粉でできたうどんやパスタ、ラーメンやパンなど、本来小麦粉を使う商品を米粉で再現したグルテンフリー食品も多く開発されています。

ネット通販はもちろん、スーパーマーケットの小売店などでも販売されており、手軽に入手することが可能です。

グルテンフリー認証

日本にはグルテンフリー認証制度がまだありませんが、アメリカのグルテンフリー認証組織GFCOがグルテンフリー認証を行っています。

グルテンフリーの基準を満たしていると認証されることにより、パッケージにGFCOのグルテンフリー認証マークをつけることができます。

セリアック病の方、グルテン不耐症の方に向けた認証であるため、厳格な基準が設けられ、国際的に信頼のある組織です。

日本でもこちらの認証を取得した商品があるので、見かけたらぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。

まとめ

グルテンフリーとは?小麦粉に関わる知識を深めて食生活に役立てよう!

グルテンフリーとは、グルテンの含有量が基準未満の食品・食事のことですが、実際にはグルテンを含む食品を摂取しない食事といった意味で用いられます。

グルテンフリーはもともと、セリアック病という遺伝性の小麦不耐症の治療として始まっています。いまでは病気の治療目的だけでなく、健康や美容を気にしてグルテンフリーを取り入れている方も多くいます。メリットとして、体調改善が期待できる・ダイエットにつながる・美肌効果に期待できるが挙げられます。過度な制限は栄養不足につながるので注意が必要です。

キーワード

  • グルテン
  • グルテンフリー
  • グルテン不耐症