あなたは、「デザイン」という言葉を聞いて何を思い浮かべますか?
おしゃれなパッケージを作ること・綺麗な服を作ることなど、見た目を良くする場面を想像する方が多いのではないでしょうか。
確かにそれもデザインですが、ビジュアルの組み立てはデザインの一部でしかありません。本来はもっと広い意味を持っています。
デザイナーでなくともデザインを行うことは可能です。知識を身につければ日常生活でもビジネスでも、あらゆる場面で活用ができるのです。
デザインとは?
デザインの意味
デザインとは、設計です。ある目的のために物事を設計することがデザインです。
美しくなりたい人へ化粧品を届けたい。そのために商品コンセプトを決めて消費者の心に響くおしゃれなパッケージで包装して販売する。
この一連の流れこそデザインです。
問題を抱えている人や消費者のニーズに合わせて商品・サービスを作っていくことがデザインの本質なのです。
デザインとアートの違い
デザインとアートは違います。
デザインは設計や課題解決といった外に向けた目的が中心ですが、アートは感情や思考の自己表現という主観が中心の行為になります。
自分の感情を表現するために絵を描き、それを見た鑑賞者が影響を受ける。価値があると思えばお金を出して絵を購入するかもしれません。
自分の作り出したものが他人に影響を与えるという点ではデザインもアートも同じですが、その過程をしっかり認識しておきましょう。
良いデザイン、悪いデザイン
良いデザイン、悪いデザインとは何か。この問いに一つの正解はありません。
例えどれだけ優れたビジュアルのパッケージでも、コンセプトから外れていたり中身と乖離があるようでは悪いデザインになってしまいます。
また、デザインの原則を無視したデザインを行えば、見づらく伝わりにくいものが出来上がります。
コンセプトをしっかり確認し、その目的を果たすことができれば良いデザインです。クライアントや消費者のニーズをキャッチして適切な形に仕上げていく。良いデザインを作るためにはこの工程が欠かせません。
デザインの歴史
デザインのはじまり
現代において私たちの身近にあるデザインは近代デザインとも呼ぶことができ、近代デザインは19世紀のイギリスに始まったとされています。
そのきっかけは産業革命です。産業革命により人々の生活が劇的に変化しました。生活が豊かになりモノが溢れてくると、商売の競争は激しくなります。
消費者に選んでもらうためには、使いやすさ・機能・見た目などデザインも重視されるようになりました。その後もアーツアンドクラフツ運動や印刷技術の発達など、デザインに対する姿勢を変える出来事をたくさん辿ってきました。
日本のデザイン
デザインの概念は明治時代以降に海外から輸入されましたが、すぐに浸透することはありませんでした。日本でデザインに対する意識が飛躍的に向上したのは高度経済成長期になります。
ただそれまでも「デザイン」という言葉がなかっただけで、古来より存在する建築物や道具などを見ればデザイン的要素を持っていたことは明白です。
また、日本独特のプロダクツとして伝統工芸品や民芸品があります。こうした物の中にもデザイン的要素を垣間見ることができます。
日常に潜むデザイン
あなたの使うものは全てデザインされている
私たちの日常生活の中にはデザインがあちこちに溢れています。
朝目覚めた時眩しくないのはカーテンのおかげです。そしてカーテンを開ければ朝日が差し込み一気に目が冴えます。洗面所に向かい、蛇口を操作すれば水かお湯を出すことができます。歯磨きに使う歯ブラシは手に馴染み、歯磨き粉も適量ブラシの上にとることができます。
何気ない生活の一場面でもストレスフリーで過ごせるのは、全てのものがデザインされているからです。デザインされていないものを探す方が難しいかもしれません。
私たちはデザインを意識することなく日常生活を過ごしていますが、目線を変えればデザインは生活に欠かせないものだと気づくことができます。
なぜ?を問おう
デザインを観察するためには「なぜ?」と思うことが大切です。
街中でふと目にした広告も「なぜあの配色なのか」、「なぜあの文字が印刷されているのか」といったように理由を考えてみましょう。
そしてその広告を見てどう思ったか、あなたの感想も確認することが大切です。なぜを考えてその狙いがあなたの抱いた感想の通りであれば、そのデザインは優秀です。
逆に狙い通りの感想でないなら、なぜそうなったのか、どうすれば狙い通りになるのかを自分なりに考えてみましょう。
日常生活でデザインのアンテナをはることは、良いデザインを作り出すための訓練になるのです。
課題解決としてのデザイン
デザインが必要なのはデザイナーだけじゃない
いまやデザインを活用しているのはデザイナーだけではありません。
デザイン経営という言葉を耳にしたことがある人も多いと思いますが、デザイン業務だけではない通常のビジネスでもデザインは活用できます。
デザイン経営とは、企業ブランド向上やイノベーション促進にデザインを活用する経営手法のことです。
変化がはやく先の読みにくい時代だからこそ、企業の抱える課題を解決するためにデザインが注目されています。
デザイン思考
デザイン経営に使われる思考法がデザイン思考になります。
デザイン思考とは、デザイナーがデザインを設計する時に使う考え方を活用してビジネスにおける課題解決を考える思考法です。
上記の図のように5つのプロセスがあり、今までにない新しいアイデアの創出やビジネスの本質を見出す効果が期待できます。
より生産的なデザイン思考を行うためにも、デザインに関する知識を取り入れ観察を普段から行い、デザインセンスを磨いていくことが大切です。
商品開発におけるデザイン
ブランディング
ブランディングは、自社ブランドを届けたい人に対して企業価値やイメージといった認知を向上させるための取り組みです。
商品設計をしっかり行い、商品を届けたい人に届けることができれば自社のブランド向上に繋がります。
「あの商品をあのお店で買いたい」と商品を唯一無二のものだと思ってもらうためには、デザイン設計が重要になります。
プロダクトデザイン
プロダクトデザインとは、製品をデザインすることです。家具・家電・乗り物・工業品など幅広く使われるものから観賞用といったユニークなものまでプロダクトデザインに含まれます。
使いやすさ、生産のしやすさ、機能性、見た目の美しさなどあらゆる方面のデザインを考えバランスを取っていく必要があります。
生活に必要なものが溢れかえっている今、消費者に選んでもらうためにはデザイン設計がとても大切です。
パッケージデザイン
商品を包むパッケージのデザインは商品の顔とも言える重要なパーツです。
デザインを売上のような数値で評価することは難しいですが、商品の売上を左右することは間違いありません。
商品コンセプトに合ったデザインであれば届けたい消費者に届きやすくなり、良いデザインという評価も得ることができるでしょう。
またパッケージには商品の情報を正しく伝えるという役割もあるため、情報伝達という機能を持たせることも重要です。
課題解決としてのデザイン
当社はパッケージデザイン制作を行なっています。
特に食品と生活用品のパッケージをメインで取り扱っており、商品設計全体を考えたパッケージデザインの制作に取り組んでいます。
デザインの制作事例も他ページでご紹介していますのでぜひご覧ください。
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まとめ
生活を彩るデザイン。日常生活からビジネスまで、様々な場面で活躍するデザインについて学ぶ
デザインの知識を身につければ日常生活でもビジネスでも、あらゆる場面で活用ができます。
デザインとは、設計です。ある目的のために物事を設計することがデザインです。私たちの日常生活の中にはデザインがあちこちに溢れています。日常生活でデザインのアンテナをはることは、良いデザインを作り出すための訓練になります。デザイン思考を取り入れてビジネスでも課題解決に役立てましょう。
キーワード
- デザイン
- デザイン思考
- パッケージデザイン