2023.09.22

食品パッケージ(軟包装)が出来上がるまでの流れを解説します!パッケージ制作におけるポイントも抑えましょう

スーパーマーケットなどお店で素敵なデザインの食品パッケージを見るとついつい手に取りたくなってしまうものです。

食品パッケージは私たち消費者に情報を訴えるほか、食品の安全を守るという重要な役割を持っています。

そんな私たちの暮らしに欠かせない食品パッケージは、様々な人たちが関わっている様々な仕事によって生み出されます。

この記事では食品パッケージについて出来上がるまでの流れと、制作する上でのポイントなど役立ち情報をお伝えします。

食品パッケージと一言で言ってもたくさんの種類があります。この記事では、軟包装について取り上げます。

食品パッケージ(軟包装)とは?

軟包装は一般的にフィルムとフィルムを貼り合わせて作られます。

野菜やそのほか一部商品では貼り合わせなしの単体で使用されることもあります。

フィルムを貼り合わせることによって空気の侵入を抑えたり、商品を詰めて袋にする時に加工しやすくするなど、様々な機能を持たせることができます。

食品の袋を指で擦っても一枚のように感じるほどの薄さですが、実は何層かのフィルムが合わさってできているのです。このフィルムとフィルムを貼り合わせることを「ラミネート」と呼びます。

またフィルムとフィルムは、私たちの健康に害を及ぼさない専用の溶剤を使って貼り合わせされます。

パッケージの役割

食品パッケージには、食品の品質維持・保護という役割があります。中身を汚れや衝撃から守ってくれます。

また、賞味期限を延ばしたり、チャックがついていることにより小分けにして食べることもできます。

もう一つの重要な役割は、情報の伝達です。

パッケージに商品名や原料など商品に関する情報を印刷することによって、消費者に適切な情報を伝えます。

中身を見せることのできる透明な窓をつけたり、シズル写真を載せることで直接商品イメージを伝えるという手段もあります。

食品パッケージが出来上がるまでの流れ

商品企画

商品開発は食品パッケージから始まるのではなく、まずどんな商品をつくりたいかというところから始まります。

消費者のニーズに応えた商品、企業としてチャレンジする商品などたくさんの企画があり、市場分析や協議の結果、商品化が決まっていきます。

ある程度商品のかたちが決まってきた段階で、食品パッケージの制作もいよいよ開始です。商品の顔とも言えるパッケージの制作は重要視すべきポイントの一つです。

印刷会社選び

食品パッケージは素材となるフィルムにデザインを印刷して製品化することによって、食品を包装できる状態になります。

この加工を行うのは一般的に印刷会社になります。印刷から製品化まで同じ工場内で行う会社もあれば、印刷だけ行ってそれ以降の加工は別会社に委託する会社もあります。

パッケージ仕様の決定

食品パッケージ材質やロットなど実際に製造するために必要な仕様を決めていきます。

中身によって適した材質は違い、販売予定数量によってもロットは変わります。仕様をしっかりと決めておかないと後に問題が起こる可能性がありため、事前の打ち合わせは入念に行いましょう。

デザイナー選び

食品パッケージにおいてデザインはとても重要な役割を持っています。

デザイナーによって提案されるデザインは様々です。自分たちのイメージするデザインを制作できるデザイナーに依頼することが大切です。

デザイナーを自分たちで探してくるか雇えば、理想のデザインへの近道になります。印刷会社にもデザイナーが在中していたり、長年取引をしているデザイナーがいる場合がほとんどなので印刷会社にデザインも依頼するという方法もあります。

デザイン制作

商品コンセプトや中身に合わせてデザインを制作していきます。

デザイン制作は、自分たちがどのようなデザインをつくりたいか最初に明確にしておくとスムーズに進行します。

また、どのようなデザインをつくりたいかデザイナーに正確に伝えるためのコミュニケーションもしっかりとするようにしましょう。

印刷

デザインが問題なければ、実際にフィルムへ印刷していきます。

フィルムへの印刷は、専用の機会にフィルムを設置して版とインクによって行われます。食品パッケージの印刷は通常グラビア印刷と呼ばれる印刷方式です。

デザインデータで色はデータ化されていますが、実際に印刷する時はインクで調整するため画面で見た色と実際に印刷された色の見た目は違ってきます。

そのため、初回印刷の際は正しい色が印刷されているか印刷立ち会いを行いましょう。

製品化

印刷された後は商品が包装できるように加工されます。

パッケージを貼り合わせるためのラミネートや、サイズに合わせてカットするスリットなど様々な工程を経て巻取りフィルムか製袋品になります。

納品

製品化された食品フィルムは、食品メーカーの工場へ納品されます。

績のない初めての材質や印刷会社の場合、事前にサンプルテストを行っておくと本番での思わぬハプニングを防ぐことができます。

食品パッケージ制作におけるポイント

印刷会社の特徴を理解する

印刷会社によっては得意なジャンルの食品パッケージがあります。

例えばレトルト食品のパッケージが得意な会社、加工肉のパッケージが得意な会社、冷凍食品のパッケージが得意な会社などです。

実際はどのジャンルのパッケージでも製造の対応をしてもらえることがほとんどですが、そのジャンルを得意とする会社に依頼した方がコストメリットを出すことができます

また、環境に配慮した素材に力を入れている会社、デザインにも力を入れている会社などその印刷会社の特徴を知っていれば商品開発に役立つことは間違いありません。

デザインの重要性を理解する

デザインによって商品の売れ行きが左右されることもあるため、デザイン制作には力を入れましょう。

コンセプトに合っていないデザインにしてしまうと、全くイメージと違う商品が出来上がってしまうことも考えられます。

イメージ通りのデザインにできれば、中身の価値を数倍に上げるパッケージになることだってあります。

イメージ通りの色で印刷する

実際に印刷される色はかなり大切な要素です。

もしシリーズ商品であれば、一つでも色がずれていたら売場に並んだ時の見栄えが悪くなり消費者の抱く印象も悪くなります。

またイメージ通りの色でなければ、商品のイメージも想定していたものと違ってくる可能性もあります。

食品パッケージ制作のお悩みあるある

パッケージ制作に集中できる時間がない

商品開発は実際にやるべきことが多く、パッケージ制作に取れる時間がないということも少なくありません。

「印刷会社に丸投げしてしまったら、イメージと違うパッケージができてしまった。」「パッケージ制作が滞り、発売が遅れてしまった。」という声を聞くこともあります。

パッケージを担当する専門の従業員がいれば良いのですが、人手不足のいま、新たに人を雇うのはなかなか困難です。

理想的なデザインが提案されない

「パッとするデザインがすぐにできない。」「良いデザインかもしれないけど、つくりたい商品とは合っていない。」というお悩みも多いのではないでしょうか。

外部のデザイナーとコミュニケーションを密に取ることは大変で、自社のことを理解してもらうためには時間がかかります。

自社のことを理解しているインハウスデザイナーが在籍していれば問題ないかもしれませんが、全ての企業がそういうわけにはいきません。

実際にパッケージになるとイメージ通りの色にならない

画面で見ていた色と、実際に印刷された色が何か違うということは珍しくありません。

その原因は発色方法の違いにあります。

データとして画面で見るデザインは、光によって色が表現されています。印刷されてフィルムに印刷された色は、インクによって表現されています。

そのためデータと同じ数値をもとに製版をしても、印刷される色は違ってきます。

イメージ通りの色を出すためには印刷時に調整を行う必要があります。

さいごに

食品パッケージ制作はやるべきことが多く時間もかかりますが、良い商品をつくるためにはとても重要です。

印刷会社やデザイナーの選定、クオリティの高いデザインをつくりたいなど、パッケージ制作において課題をお持ちの方は多いと思います。

中部流通はそんな課題を解決するために、印刷会社選びやデザインの制作から納品まで全ての業務をサポートさせていただきます。

長年培ってきた食品パッケージ制作の実績や、デザイナーも在籍しています。お困りの際はお気軽に中部流通へご相談ください。

まとめ

食品パッケージ(軟包装)が出来上がるまでの流れを解説します!パッケージ制作におけるポイントも抑えましょう

食品パッケージができるまでに印刷会社やデザイナーなど様々な人と仕事が関わっています。

食品パッケージ制作のポイントは、印刷会社の特徴を理解する、デザインの重要性を理解する、イメージ通りの色で印刷するなどが挙げられます。理想のパッケージが制作できるようにポイントを理解し、課題がある場合はしっかりと解決しましょう。

キーワード

  • 食品パッケージ
  • 軟包装
  • デザイン