2025.02.07

オーガニック食品とは?意味や認証制度などを簡単に分かりやすく解説します

オーガニック食品はスーパーマーケットなど私たちの身近にあるお店で、いまや気軽に購入することができます。

オーガニック食品は年々注目が増しており、健康意識の高まりや環境保護への関心などの点から世界的に需要が高まっています。

この記事では、オーガニック食品の基本的な説明やどのようなメリット・デメリットがあるか、代表的なオーガニック食品について分かりやすく解説します。

オーガニック食品とは?

オーガニック食品とは、化学合成で生産された農薬や肥料、遺伝子組み換え技術を使わずに製造された食品のことです。

「オーガニック」を日本語にすると「有機」という表現になります。

「無農薬」という言葉もありますが、そちらは農薬を一切使用しません。オーガニックの場合、認められた農薬であれば使用することができます。

オーガニック食品の特徴

無農薬・無化学肥料
化学合成された農薬や肥料を使わずに栽培される。
代わりに堆肥や有機肥料など認められたものを使用する。

遺伝子組み換えなし
遺伝子組み換え技術を使用しません。遺伝子組み換えとは、有用な遺伝子を他の生物から取り出し、対象の植物などに組み込む技術のことです。害虫に強かったり、日持ちのする農作物にできるなど質を向上させることができます。

自然に近い環境で育てる
家畜の場合、放牧などストレスの少ない環境で育てます。また、飼料は有機農産物が与えられ、できるだけ薬剤に頼らず抗生物質などを病気予防のために使用しないことも求められます。

食品添加物の制限
合成保存料や着色料などの使用が制限されています。オーガニック食品だからといって必ず無添加というわけではありません。

オーガニック食品の認証制度

有機JASマーク

日本における認証制度

日本にはオーガニック食品として認証するために、有機JASという認証制度があります。

有機JASは農林水産省によって定められており、認証取得のためには農林水産省認可の機関に申請を行い認められる必要があります。認められた事業者は有機JASマークを使用することができます。

有機JASマークがない食品に「有機」「オーガニック」などの名称や表示をすることは法律で禁止されています。

世界の国々の認証制度

世界の国々でももちろん認証制度は存在し、それぞれ基準が定められています。

アメリカ:USDA Organic
95%以上のオーガニック成分が必要。アメリカ最大の認証機関で、国際的にも有名。

EU:EU Organic
農薬・化学肥料の使用を極力制限、遺伝子組み換え作物禁止。Euro Leafという認証マークが必須。

フランス:ABマーク
EU Organicを満たしていることが条件。EU基準に加え、一部食品にはより厳しい基準が適用される。EU OrganicとABマークの両方を持つ商品が好まれる。

スイス:Bio Suisse
EU Organicより厳しい基準。農薬・化学肥料は完全に禁止。スイスではBio Suisseが最も信頼されている。

オーストラリア:ACO
農薬・化学肥料を制限、遺伝子組み換え作物禁止。土地は3年以上のオーガニック管理が必要。

カナダ:Canada Organic
USDAやEUと同等の基準を採用。

オーガニック食品のメリット・デメリット

メリット

安心安全
化学合成された農薬や肥料を使わないため、体に悪影響を与える可能性のある化学物質を避けることができます。また、合成添加物が少なかったりホルモン剤や抗生物質もないため、安全性が高くなっています。特に子供や妊婦、高齢者など健康に気を使う人に選ばれることが多いです。

環境にやさしい
化学合成された農薬や肥料を使わないため、土壌や水質が良くなる傾向にあります。また、農薬が使われないことによってミツバチや微生物の生態系を保護できます。

デメリット

価格が高い
通常の食品よりも価格は高くなりがちです。通常よりも管理が難しく生産に手間がかかり、認証にもコストがかかるため、その分の費用が価格に反映されます。また、生産の管理が難しいということは、大量生産も難しく生産量が少なくなってしまったり、形が不揃いで小さくなってしまう可能性も高くなります。

保存期間が短い
防腐剤や保存料が少ないため劣化しやすく、早いうちに消費することが推奨されます。農薬を使わないため虫がつきやすいというデメリットもあります。そのためまとめ買いがしにくく、必要があるたびに買い物に行く手間が増えることが考えられます。

オーガニック食品市場について

日本の市場規模推計値

日本のオーガニック食品の市場規模は、農林水産省が集会した消費者アンケートの結果2022年時点で2,240億円と推計されています。

2009年は1,300億円、2017年は1,850億円となっており、年々市場規模が増していると言えます。オーガニック食品を週に1回以上利用する割合は、2017年に17.5%2022年に32.6%とほとんど倍になっています。

ただ、ほとんど/全く利用しない割合は半数以上に及ぶため、まだまだ伸び代のある市場とも言えるのではないでしょうか。

データ参照:農林水産省『有機農業をめぐる事情 令和71月』

世界の市場規模

国別の有機食品売上額(2022年)グラフ

画像参照:農林水産省『有機農業をめぐる事情 令和71月』

2022年に最もオーガニック食品の売上額が多かったのはアメリカで、規模はおよそ8兆円となっています。

それからドイツの約21,000億円、中国の約17,000億円、フランスの約16,600億円と、1兆円越えの規模が続いています。

人口など国の規模に違いはありますが、日本と比べるとかなり大きな市場だと言えます。オーガニック食品は世界中で注目を浴びている食品なのです。

世界における1人あたりの年間消費額

20250207_03_organic-food03画像参照:農林水産省『有機農業をめぐる事情 令和7年1月』

2022年の日本における1人あたりの年間オーガニック食品消費額は1,794円でした。世界では17番目の消費額です。

1番消費額の多い国はスイスで、60,306円になります。それからデンマークの50,370円、オーストリアの37,812円、スウェーデンの34,224円とスイスや北欧諸国で高い傾向があります。

スイスにおけるオーガニック食品は「Bio Suisse」という独自のオーガニック認証に基づいています。

政府のオーガニック農家支援が手厚く、学校や公共施設でもオーガニック食品が推奨されています。また、国民一人ひとりの環境保護意識が高く、健康意識が非常に高いという背景もオーガニック食品の人気に拍車をかけています。

代表的なオーガニック食品

様々なオーガニック食品がありますが、ここでは代表的なものを一覧表にしました。オーガニック食品を探す際の参考になれば幸いです。

オーガニック野菜・果物

トマト、にんじん、ほうれん草、じゃがいも、りんご、バナナ、ブドウ

オーガニック穀物・豆類

オーガニック米、玄米、小麦、大麦、オートミール、キヌア、大豆、レンズ豆

オーガニック肉・魚

オーガニックビーフ、オーガニックチキン、オーガニックポーク、天然魚

オーガニック加工食品

オーガニックパン、パスタ、シリアル、チョコレート、スナック、ジュース

オーガニック飲料

オーガニックコーヒー、紅茶、日本茶、ハーブティー、オーガニックワイン

 

まとめ

オーガニック食品とは?意味や認証制度などを簡単に分かりやすく解説します

オーガニック食品とは、化学合成で生産された農薬や肥料、遺伝子組み換え技術を使わずに製造された食品のことです。

オーガニック食品は年々注目が増しており、健康意識の高まりや環境保護への関心などの点から世界的に需要が高まっています。日本における認証制度としては有機JASが有名です。オーガニック食品には安全安心・環境にやさしいというメリットがあり、スーパーマーケットなど身近なお店で買うことができます。

キーワード

  • オーガニック食品
  • 有機JAS
  • 健康